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絵本「どろんこハリー」 [5~10分]

◆◆プチ家出で知る我が家の心地よさ◆◆

どろんこハリー

どろんこハリー

  • 作者: ジーン・ジオン, わたなべ しげお, マーガレット・ブロイ・グレアム
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1964/03
  • メディア: -


ストーリーを紹介するまでもなく、超ロングセラーの絵本です。
小学1年生のクラスに持っていくと、大半の子が「その本知ってるー!」と合唱してくれます。
「じゃ、違う絵本にしようか」と言うと、「どろんこハリー」の絵本をさして「それ読んでー!」と返ってきます。

魅力は何でしょう。
ハリーがかわいい。
チョッとだけ家出のワクワク感。どろだらけになる快感。
飼い主(家族と言ってもいいでしょう)に気がついてもらえない刹那さ。
ありったけの芸当を披露するハリーのひたむきさ。
ようやくわかってもらえた時の安堵感
家族の愛を確認し、いつもの場所で眠ることの幸せ。

読後感のとてもよい絵本です。


迎え入れてくれる家族があるからこそ、外で冒険もできるのですね。
小さな冒険の繰り返しで、独立心も養われていくのだと思います。
未知の世界に入っていく勇気や、未知の物を理解しようとする力も
こんなところから育っていくのではないでしょうか。

家出こそしませんでしたが、私も小さい時、小学校からの帰り道に、
普段通らない道を通り、知らない光景を見て、わくわくした経験があります。
こんなことが許されたのも、安心のできる社会だったからなんですね。
最近の子どもたちに振りかかる痛ましい事故を知るにつれ、
今はそんな小さな冒険をする場さえなくなりつつあることに気づかされます。

この絵本、3色の絵ですが、その地味さを感じさせない力を持っています。
文が始まらないページの絵からすでに物語が始まります。絵本ならではの構成です。
また、声に出して読みやすい文体であることも人気の秘密かもしれません。
「くろいぶちのあるしろいいぬ」が「しろいぶちのあるくろいいぬ」に
なってしまうという言い回しが、私はとても好きです。


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